前回のブログでは「見えない障がい」の具体例と特徴についてご紹介しました。今回は、自閉症スペクトラム障害(ASD)について掘り下げていきたいと思います。
☆自閉症スペクトラム障害(ASD)とは?
ASDは発達障害の一種で、以下の2つの特徴が主に見られます。
①社会的コミュニケーションや対人関係の困難
②限定された興味や行動パターン、こだわり行動
かつては「自閉症」「アスペルガー症候群」などに分類されていましたが、現在はまとめてASDという名称が使われています。
☆ ASDの具体的な特徴
・空気を読むのが苦手
・会話のキャッチボールがうまくできない
・感覚過敏(音・光・匂いなど)
・予定変更への強い抵抗感
・手順やルールへの強いこだわり
・興味が偏る(特定のことだけを極端に好む)
これらの特徴は人によって強さや現れ方が異なります。そのため「スペクトラム(連続体)」という言葉が使われています。
☆大人のASDについて
ASDは子どもだけでなく、大人にも広く見られます。以下は大人のASDでよく見られる傾向です。
・職場でのコミュニケーションがうまくいかない
・マルチタスクや臨機応変な対応が苦手
・興味のないことに集中できない、逆に興味があることには極端に集中する
・繰り返しの作業やルーティンを好む
・些細な変化に強いストレスを感じる
大人の場合、自分では気づかずに生きづらさを抱えたまま生活しているケースも少なくありません。診断を受けず「生きづらさの原因がわからない」と感じている方も多いと言われています。
☆支援学校や福祉の現場で感じる課題
支援学校やグループホームなどの現場では、ASDの特性による以下のような場面がよくあります。
・グループ活動が苦手で孤立しやすい
・突発的な行動や言動に周囲が戸惑う
・支援者側の理解不足によるトラブル
また、制度面でもASDは「見えにくい障がい」として支援を受けづらい場合があり、家族の負担が大きくなることも課題です。
☆ASDの方への具体的な配慮例
・事前に予定やルールを細かく伝える
・視覚的な情報を活用する(予定表や絵カード)
・感覚過敏への対応(イヤーマフ、暗めの照明など)
・興味関心を活かした活動内容の工夫
・大人の場合、就労先や家庭内での配慮(明確な指示・過度な雑談を控えるなど)
ASDは見た目では分かりにくいですが、本人も周囲も生きづらさを感じやすい障がいです。 まずは「困っていることは何か?」を丁寧に聞き取り、一人ひとりに合った支援や環境調整を行うことが大切です。
一般的に「障がい者」という言葉から連想されるのは、車いすを利用している方や、視覚・聴覚障がいなど、
身体の一部に明確な機能制限がある方々です。医療的ケアを受けている様子や、補装具を装着している姿など、
目に見える障がいに対する印象が強く根付いています。
しかし、実際には外見からは判断できない“見えにくい障がい”を抱えている方も多く、
その存在はまだ社会的に十分に理解されているとは言えません。
見た目にはわからない障がいには、以下のようなものがあります。
・自閉症スペクトラム障害(ASD)
・注意欠陥・多動性障害(ADHD)
・学習障害(LD)
・内部障害(心臓・腎臓・呼吸器等)
・精神障害(統合失調症、うつ病、不安障害等)
これらの障がいは「周囲に理解されにくい」「支援を求めづらい」「怠けていると誤解されやすい」など、
当事者にとって精神的な負担が大きくなることが多いのが特徴です。
教育現場では、発達障害のある児童生徒が通常学級に在籍することが増え、
教師やクラスメイトの理解不足によるトラブルや孤立が問題となっています。
また、就労の場面でも「空気が読めない」「報連相ができない」と評価されてしまい、
適応障害や退職に至るケースが後を絶ちません。
地域生活においても、障がい者手帳を持っていても見た目では分からないことから、
公共交通機関や施設で配慮が受けられない、心ない言葉を投げかけられるといった問題も散見されます。
2024年に内閣府が発表した『令和6年版 障害者白書』によると、
日本における障がい者数は以下の通りです。
・身体障害者:約436万人
・知的障害者:約114万人
・精神障害者:約614万人
→ 合計:約1,160万人(日本の人口の約9%)
このうち、精神障害者の数が特に増加しており、
見えにくい障がいに対する社会全体の理解と支援体制の整備が求められています。
出典:令和6年版 障害者白書(内閣府)
https://www8.cao.go.jp/shougai/whitepaper/r06hakusho/zenbun/index-pdf.html

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悠優は、仙台市を拠点に障害福祉・介護支援の分野で活動している法人です。
現在は、共同生活援助(グループホーム)の運営を中心に、
利用者さま一人ひとりが「安心して暮らし、穏やかに過ごす」ことができるよう日々支援を行っています。
福祉の現場というと、少し堅苦しい印象をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、
悠優では“明るく・前向きに・丁寧に”をモットーに、誰にとっても心地よい環境づくりを目指しています。
初回ということで少し堅い内容になりましたが、
これからどうぞ、よろしくお願いいたします。
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株式会社 悠優
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